
住宅ローンの「繰り上げ返済」とは?意外と知らないデメリットとは?【住宅ローン編】
夢のマイホームを住宅ローンで組んで購入した方は、早く完済したいと繰り上げ返済を考える人も多いのではないでしょうか。
また現在、マイホームの購入を検討中で、繰り上げ返済の効果はどれくらいだろうと疑問に思われている人もいるかもしれません。ほかにも、節税対策として住宅ローン控除などもあり、実際はどの節税対策が得なのかわからない人もいるのではないでしょうか。
今回は、繰り上げ返済のメリットとデメリットについて詳しく説明していきます。
繰り上げ返済はメリットしかないのでは?と思われていますが、実はデメリットもあります。
ローン返済を効果的にする繰り上げ返済とは
繰り上げ返済には2種類の方法があり、それぞれ効果が異なります。早く完済したいのか、それとも毎月の返済額を減らしたいのかで、選ぶ方法は違ってくるでしょう。まず、どのような種類の返済方法があるのか説明します。
繰り上げ返済の効果的な方法は2種類ある!
住宅ローンは、借入れ金額や期間、さらに金利までトータルで考慮したうえで毎月の返済額が決まります。
繰り上げ返済とは、ある程度の貯蓄が貯まった時点で、追加の返済をし、総元金を減らすことで総利息をも減らすといった方法です。
①繰り上げ返済の期間短縮型とは
期間短縮型とは、月々の返済額を変えず、借入れ期間を短くする方法です。毎月の返済額は変わりませんが、短くなった期間に支払う予定だった利息を支払う必要がなくなり、トータルの返済額も減少します。
たとえば、30年ローンの場合、繰り上げ返済をすることでローンが27年に短くなったとします。
3年分の元金がなくなり、なくなった元金に対する利息も当然なくなります。大きく利息を軽減することができるので、少しでも早く完済したいという人におすすめです。
②繰り上げ返済の返済額軽減型とは
返済額軽減型とは、繰り上げ返済をすることで全体の元金を減らす方法です。全体の元金が減ることで利息が減り、毎月の返済額が小さくなるという仕組みです。
こちらの期間は短くなりませんが、毎月の返済額が小さくなるので家計にとっては助かりますね。利息の軽減率はそれほど高くはありませんが、子どもの教育費などでお金がかかる時期にはとても助かる方法です。
繰り上げ返済をするメリット
繰り上げ返済のメリットは、元金を減らすことで将来支払う利息を減少することができる点です。
ここでは、繰り上げ返済のメリットについて説明します。
①繰り上げ返済で利息をカットできる
住宅ローンの金額はとても大きく、ほとんどの人が長い期間をかけて返済します。住宅ローンの金額が大きければもちろん利息も高くなりますよね。繰り上げ返済は、この利息を大きく減らすことができる効果的な方法です。
子どもが小さいときなど、毎月の家計に余裕があるときに繰り上げ返済をし、教育費がかかるころには完済するように計画するなど、ライフプランに合わせて利用できるのも嬉しいポイントです。
②繰り上げ返済で保証料が戻ってくることもある
住宅ローンを組むときには、万が一返済できなかったことを想定して、保証会社への保証料を支払います。繰り上げ返済をすることでこの保証金が戻ってくることがあります。
しかし、返済金額や繰り上げ返済時期、また借入れしている金融機関により状況は異なりますので、自分の場合の保証料に疑問があれば、借入れした金融機関に問い合わせてみましょう。
繰り上げ返済をするデメリット
繰り上げ返済は利息を減らすために有効な手段ですが、無理して返済することで考えられるデメリットもあります。
ここでは、繰り上げ返済のデメリットを紹介します。
①無理な繰り上げ返済で家計が厳しくなる
当然ですが、繰り上げ返済をすると、その資金はあなたのものではなくなります。
家計の余剰資金で返済をするならぜひ利用したいところですが、手持ち資金がない状態で無理をしての返済では、急な出費などに対応できなくなります。
もし、夫や妻が急に病に倒れたなどの場合、手元にそれなりに貯蓄があればあわてることなく対応できます。繰り上げ返済をする場合は、貯蓄とのバランスがとても大事です。
②低金利の場合は繰り上げ返済より貯蓄を
昨今は超低金利時代で、住宅ローンにしても低金利で借入れができます。低金利ということは、そもそも返済総額に占める利息分は最初から少ないということです。
もし家計に余裕があれば、繰り上げ返済に回すのではなく、投資や貯蓄である程度貯めておきタイミングを見計らって利用するほうが賢いといえます。毎月決まった金額を貯めておくことで、十分なキャッシュフローを保ちつつ、計画的にローン返済を減らすことが可能です。
③繰り上げ返済をすると手数料がかかる
繰り上げ返済をする場合は、窓口や電話、インターネットを通しての手続きになりますが、窓口や電話での手続きでは手数料がかかる場合が多いです。
インターネット経由では手数料無料のところでも、固定金利型ではかかる場合があるなど、金融機関によって対応は異なります。繰り上げ返済を頻繁に利用したいという人は、あらかじめ借入れする金融機関に確認しておきましょう。
繰り上げ返済のベストタイミングとは
繰り上げ返済をする時期は、いつごろがベストといえるでしょうか。
繰り上げ返済を活用する場合、住宅ローン控除という節税も考えなければなりません。これは借入れから10年間、年末において借入残高の1%の税金が返ってくる制度です。
借入れ額が大きいほど減税額も大きくなるので、繰り上げ返済をして借入れ額が小さくなると減税額も小さくなります。場合によっては、借入れから10年間は、住宅ローン控除を利用したほうがよい場合があります。
※消費税10%への増税対策として、2019年10月1日~2020年12月31日の期間、消費税10%の住宅を取得した場合には、住宅ローン控除期間は13年となります。
まとめ
住宅ローンは大きい借金になりますので、できれば早く完済したいと思う人は多いです。そのための繰り上げ返済ですが、家計をぎりぎりに切り詰めて繰り上げ返済をすると、せっかく購入したマイホームでの生活も楽しめなくなります。
繰り上げ返済より貯蓄に回す、住宅ローン控除を利用するなど、様々な方法がありますので、自分の場合はどの方法を活用すればいいのか、借入れ金融機関に相談してみましょう。
マイホームでの家族との時間が素敵なものになるように、無理のない返済をしていき、繰り上げ返済を効果的に活用していきましょう。
