買戻し特約のつける目的とは?そのメリット・デメリット【不動産知識】

不動産を購入する人の大半は住宅ローンを使って購入するのではないでしょうか。しかしその後収入の変化や家庭の状況によってはローンが払えなくなるケースもあると思います。

不動産は手放したくないけど、ローンは払うのは難しいというそんな人のために買い戻し特約を付けて売却する方法があります。

今回は買い戻し特約についてメリットや注意点など説明していきます。

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買い戻し特約は何のための制度?

買い戻し特約は、将来、買い戻すことを前提に不動産を売却するときに付ける特約です。

何らかの理由から不動産の所有が難しくなった人でも、この特約を付ければ、手放すことなくお金を取得できます。つまり、不動産を担保にした一時的な借金と考えるとわかりやすいかもしれません。

民法上、登記をするから第三者にも効力がある

買い戻し特約は、当事者同士の約束にとどまらず、実際に登記を行います。第三者に対しても効力を持つということです。

たとえば、買い戻し特約を付けて売買したにもかかわらず、買主が他の人に不動産を売ってしまったとします。買い戻し特約が付いていたとしても、不動産の所有権は買主にあるため、売却することはできてしまいます。

しかし売主には、不動産を買い戻す権利があり、それを第三者に対しても主張できます。

買い戻す権利について

買戻し特約を付けることで買主から不動産を購入した第三者から、不動産を取り戻すことができます。しかし民法で買戻し特約の期間は、10年までと決められています。というのも期間の定めがないと、買主はいつまで経ってもこの特約に縛られてしまうからです。

また、民法第第580条に条文によると「後から期間を延ばすことはできないこと」や「期間について決めなかった場合、特約期間は5年になる」といった制限もあります。

期間満了で時効になる!期限切れになったら抹消手続きが必要

買い戻し特約で定めた期間が満了した場合、時効となり、効力を失います。効力を失ってしまった場合、当然ながら売主に不動産を買い戻す権利はなくなり、買主は自由に売買できるようになります。

ただし、期限切れになったからといって、勝手に登記内容が変更されるわけではありません。

買戻特約の抹消手続きは複雑なため、司法書士などの専門家に代わりにおこなってもらうのが一般的です。

買い戻し特約を付けて不動産売買するメリット

①お金を受け取ることができる

買い戻すことを前提にしているとはいえ、不動産を売るのですから、売却代金を受け取ることがえできます。「住宅ローンが払えない」という悩みから解放されるだけでなく、大金を手にできるということです。

ただし将来、買い戻すことを前提にしているのであれば、結局は返すお金になります。できるだけ使わずに、しっかりと払える段階になるまで取っておいたほうが賢明です。

②不動産を手放さずに済む

買い戻し特約の最大のメリットは、不動産を手放さずに済むということです。

通常の売却の場合、一度売ってしまえば、再び所有することは極めて難しくなります。もちろん買い戻し特約をつけたとしても、一時的には手放すことになります。

しかし、期間満了までは買い戻すチャンスが残るため、完全に自分の手から離れてしまうわけではありません。

買い戻し特約を付けて不動産売買するデメリット

①買い戻し特約で売れづらくなる

買い戻し特約をつけての不動産売買には、買主が見つかりづらくなるというデメリットあります。

期間限定で不動産を所有したい人は、ごく稀です。一定期間、不動産を使いたいのであれば、賃貸物件を探す人がほとんどでしょう。また、不動産を所有したいのであれば、わざわざ買い戻し特約のついた物件は選びません。

②物価が変動したら買主は損をする可能性が高い

買い戻し特約で定めた期間中に、物価が変動することも考えられます。そうなった場合、買主は損をする可能性が高くなります。

なぜなら、売主が不動産を買い戻す金額は、売買したときの金額と同額でなければならないと決められているからです。

物価が上昇したとしても、下落したとしても、買主には以下のリスクがあります。

◆物価が上昇した場合

実際の不動産価値より安く売らなければならない

◆物価が下落した場合

売主が買い戻さない可能性が高くなる

このようなリスクを負ってまで、買い戻し特約をつけて購入してくれる人はそうそういません。

買い手を探すのは、非常に難しいと思っておいたほうが良いでしょう。

買い戻し特約を付けて不動産を売却する方法

仮に、買い手が見つかったとします。その際、どのような手続きが必要になるのか、見ていきましょう。

買い戻し特約は、後から付けることができないため、売買契約と同時に手続きをおこなっていきます。

1.買主と特約の期間などについて取り決める

2.買い戻し特約をつけた内容で売買契約を結ぶ

3.売却代金を受領し、不動産を引き渡す

4.買い戻し特約をつけた内容で登記手続きをおこなう

不動産売買には様々なリスクが潜んでいるため、不動産会社などの専門家に間に入ってもらって手続きをおこなうのが一般的です。もちろん、売買取引してくれる買主を不動産会社に依頼して、見つけてもらうこともできます。

買い戻し特約をつけたとしても、手続きの流れは通常の一戸建てやマンション売却の流れと同じです。

「再売買の予約」なら、損を避けられる!

買い戻し特約と似ている制度で、「再売買の予約」というものがあります。買い戻し特約と同様、将来、買い戻すことを前提に売却する方法です。

この2つの特約の違いは、以下のとおりになります。

買い戻し特約

売買取引したときと同額で買い戻さなければならない

再売買の予約

買戻し金額に制限はなし

買い戻し特約は、売買取引したときの売却代金で買い戻さなければならない、という制限があります。

そのため建物の価値が下落したとしても、同額支払わなければならず、売主にとって不利益となる可能性が高い内容になっています。

一方で、再売買の予約には、買い戻し金額に制限はありません。そのときの時価で売買取引できるため、極端に売主が損をしなくて済みます。

後からでも付加できる

再売買の予約は、買い戻し特約よりも自由度が高くなっています。

買戻しと似ていますが、再売買の予約は契約と同時にしなくてもよく、再売買代金も予約期間も当事者が自由に決められるということに、特徴があります。

当事者同士が納得さえすれば、売買契約後に付加することも、期間を20年などの長期間にすることも可能です。

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まとめ

今回は「買い戻し特約」について説明しましたが、実際のところ、個人間の売買取引で利用されることは少ないのが実情です。

よく利用される場面としては、転売目的で購入する人を排除するために、不動産業者が新築マンションなどに付加したり、地方公共団体が新しく開発した土地の区画販売などに付加します。

買い戻し特約を付加することで、もしも転売されてしまったとしても買い戻すことができ、実質の転売禁止にできるからです。

しかし、買い戻すことを目的に付加する場合、買い手が見つかりづらく、買戻し金額で損をする可能性が高いというデメリットがあります。もし、買戻し特約を付けて不動産を売却したい場合は不動産のプロである不動産会社に、将来買い戻したい旨を伝え、どうするのが一番良いのかアドバイスをもらうようにしましょう。

また、親や兄弟、親戚などの身内に、買い戻し特約を付加して売買取引してくれる人がいる場合、手続きはスムーズになるなど仮にお金の貸し借りだとしても、不動産という担保があれば、了承してくれる人もいるのではないでしょうか。

特に、相続した不動産の場合、手放さずに済むように親族同士で協力し合うこともあると思います。その際、買い戻し特約による売買取引は、一つの選択肢になります。

買い戻し特約によるトラブルを防ぐためには、身内で売買することが決まったとしても、不動産会社に相談して手続きについてや注意点などを聞き、判断するようにしましょう。

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