- 建物 戸建て
- 面積 176.2㎡
- 築年数 築88年
- 施工費 1230万円
- 設計期間 2ヵ月
- 施工期間 3ヵ月
- 家族構成 シェアハウス
生まれ育った家が空き家になると決まり、「売却か、残して使うか」の二択に直面したとき、「地域貢献できる場所に生まれ変わらせたい」と決意したのが、このお家のオーナー・Tさん。ランニングが趣味で、定期的にフルマラソンに参加するTさんは、別のエリアに既に家があり、実家に住み続けることはできないため、「ランナーのためのシェアハウス」としてリノベーションすることに決めました。その理由は?と伺うと、Tさん自身がさまざまなランニングクラブに入っている経験から、「趣味でつながるコミュニティや仲間は楽しいと実感していますし、年齢や性別に関係なく、マラソン好きが集まる空間になれば自分も、この家もうれしいですから」と、場をひらいた想いを語ってくれました。
ご実家は築88年。Tさんが住んでいた頃から、ステンドグラスや柱、玄関、庭、縁側などに建物としての魅力を感じていたそうで、「傷んでいる部分はあるけれど、味わいがあって好きなところはそのまま残したい」というTさんの想いに寄り添いながらリノベーションを進めていきました。「また実家に帰ってこれた、という、うれしさや懐かしさもあるけれど、それ以上に、ワクワクがいっぱいの新鮮な気持ちで空間に向き合えています」とTさん。さらに、パトロールランニングの拠点にして、地域に開いた場所にすればもっと地元に貢献できると考え、コミュニティスペースとしての運用もスタート。マラソン関連だけでなく、リノベーションにまつわる勉強会も開催するなど、実家の“第二の人生”に全力で伴走中です。
POINT
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「そのままの良さ」を残した応接室
“思い入れある空間はそのまま残す”という選択肢があるのもリノベーションの良さ。Tさんの家では、雰囲気たっぷりの応接室や玄関は極力手を加えずに調整し、応接室は事務所になりました。
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ランナー仲間と夕方にくつろぐ庭
Tさんのイチオシが、このお庭。「実家に住んでいた頃からこの縁側と庭に魅力を感じていたので、残せたことがうれしくて。夕方のランの後、仲間と縁側でビールをあける瞬間が楽しみ!」。
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空間になじむ、ガラスのシェード
シンプルなガラスシェードの照明で、元々あったしつらいを活かし、築88年の建物の良さを引き出します。やわらかく広がる光が天井や壁に反射して、温かくてリラックスできる雰囲気に。
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トレーニングもできるリビング
くつろいで集えるリビングは庭に面していて、日当たりもバッチリ。トレーニングスペースも完備して、性別や年齢を問わず訪れやすく、ランナーたちが満足する空間づくりを心がけました。